院長コラム

「先生、においがわかりません」Vol.4 好酸球性副鼻腔炎

近年増えている特殊な副鼻腔炎

近年厚生労働省の指定難病の「好酸球性副鼻腔炎」と診断される方が増えています。

喘息を合併していることが多いため、喘息と副鼻腔炎を合併している方で、なかなか治らない(難治)の方はこの病気を疑うことになります。

特徴は鼻の中の粘膜が破れてこぶのようになった「鼻茸」ができやすく、手術をしてもすぐに再発しやすい、嗅覚障害を合併しやすいといった特徴があります。

治療は、急性期は保存的治療を行い改善に向かいますが、一部で慢性的に症状をきたす場合は、長期に抗菌薬(2~3か月)が必要になります。内科治療でうまくいかない場合は、手術(内視鏡を使った異常粘膜の除去や副鼻腔の開放)などが行われます。

好酸球性副鼻腔炎の場合はステロイドを内服することもありますが、改善しない場合は手術となります。副鼻腔炎の手術をして術後に好酸球性副鼻腔炎と診断されることもまれではありません。

通常の副鼻腔炎と異なり、再発しやすいため、術後に抗体治療が用いられることもあります。

気になる症状があれば、ぜひ医療機関を受診してください。