院長コラム

子宮頸がんワクチン¹(中学生、高校生の女子はぜひ夏休み中に¹回目を実施しましょう)

日本は外国と比べて、ワクチン後進国と言われています。

ワクチンはあくまで任意接種ですが、ワクチンでがんが防げるなんてとてもお得だと思います。

子宮頸がんは年間1万1000人程度罹患、約3000人以上が命を落とす病気です。
近年は発症ピーク  20ー30歳代の子育て世代へシフトして、若くして母親が家族を残して亡くなるケースが多いことから「マザーキラー」とも呼ばれています。
子宮頸がんの原因は95%以上がヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものです。
HPVは感染症ですから「ワクチン」で予防が可能です。

2013年から始まった定期接種後の副反応について多くの疑問が投げかけられたため、積極的勧奨(自治体から対象者に個別に接種をすすめること)が差し控えられ、空白8年と言われています。

この空白期間の結果、本来接種対象だった2002年度以降に出生した女性では接種率が1%未満まで低下して、本来予防できたはずの子宮頸がんにかかるリスクが大きく上昇してしまっています。

空白の8年間に対象年齢だった女性へのキャッチアップ接種の公費助成も最終投与開始期間が2024年9月に迫っています。本来はセクシャルデビュー(性交渉開始)前に接種するのが望ましいですが、すでに性交渉の経験があったとしても今後のHPV感染を予防することはできるため、HPVワクチン接種による予防効果は期待されています。

当院もHPVワクチンのキャッチアップ接種が可能な施設です。
ワクチン接種について悩んでいる女性がおられたらぜひ一度ご相談にいらしてください。

適切な予防接種と検診でがんが予防できるのは限られた病気です。子宮頸がんは予防接種と検診で防げるがんです。

高校生、女子の皆さんは夏休みしか打てない方も沢山おられると思います。

ぜひお問い合わせください!

★HPVワクチンのキャッチアップ接種事業は、2025年3月末で終了する予定です。
公費で3回接種を完了するには2024年9月までに接種を開始する必要があります。