院長コラム
オリンピックを通して通して考える医療における人種差
オリンピック真っ最中です。
球技や道具を使うスポーツ(フェンシングなど)などにはありませんが、からだとからだをぶつける競技ではほぼ体重別競技が通例となっています。
肉体そのものを武器とする競技性ゆえに、体格差(体重差)が結果を左右していくことは明らかと考えられているためです。
近年スポーツの世界では栄養学や科学的トレーニングの発達により、体格差を感じさせない大きな日本人の活躍が取り上げられるようになっています。
MLBやNBAで日本人が体格差なく、互角に戦う姿を見ることは50年前ではかんがえられないことです。
一方で、欧米人(特に大陸)と日本人が生まれつき持っている体格差、人種差は明らかです。
昔から「柔よく剛を制す」という言葉が象徴しているように、小さなものが大きいものと競い合いに勝つことが美学として捉えられている事自体、大きなものへの憧れがあることを象徴しているように思います。
医学の世界では、人種差は結果を考える上でとても重要なファクターです。
生まれてから暴露しつづける環境因子や遺伝学的素因が異なる人間に対して、同じ薬や治療をしても結果が異なるのは当たり前、(治療のみならず)なりやすい病気も人種間で異なっています。
スポーツのみならず、経済も医療も一見グローバル化が進んでいるように見えますが、医療は最終的に住んでいる人、個人に還元されないと何も意味がありません。
別の国に住んでいる人が享受できるものを日本人が同じように享受できるとは限りません。
これからも本ブログでは日本人の方に役立つ情報をお伝えしていきたいと思っております。