院長コラム
骨粗鬆症について
骨粗鬆症とは骨の強度が低下して、骨折しやすくなる状態をいいます。
骨粗鬆症になると、転倒して、手や肘をついた、尻もちをついた、くしゃみをした際など、日常の些細なことで簡単に骨折してしまうことがあります。
骨粗鬆症で骨折しやすい部位は背骨(脊椎椎体)、脚の付け根(大腿骨近位部)、手首(橈骨:とうこつ)、腕の付け根(上腕骨)です。
特に大腿骨近位部骨折をすると歩行が困難になり要介護状態になるリスクが高くなります。大腿骨近位部骨折の85%は転倒が原因とされているため、骨粗鬆症の治療とともに転倒予防も重要です。
骨粗鬆症は圧倒的に女性に多い病気(80%以上)です。
女性の場合、骨密度は18歳前後でピーク、40歳代半ばまではほぼ一定、50歳前後から低下していきます。
加齢により骨密度が低下するのは、女性ホルモンの分泌減少、ならびに腸管でのカルシウムの吸収が低下、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの合成低下が原因です。
女性ホルモンであるエストロゲンは、骨吸収(骨からカルシウムが溶けだす)を抑制する働きがあります。閉経後の女性ホルモン分泌低下により、骨密度が減少します。
骨はカルシウムの貯蔵庫と言われています。
体内のカルシウムの99%は骨や歯の中にあり、残り1%が主に血液中に存在します。血液中のカルシウムは筋肉の収縮、血液凝固、神経伝達に関わるなどとても重要な働きをしています。このため、血液中のカルシウムが不足すると、骨からカルシウムを補おうとします。骨吸収が進みすぎると、骨密度が低下して、上記のような骨折の原因になります。
更年期を迎えたらぜひ女性の方は一度骨密度を確認しましょう。
