たかが“胸やけ”逆流性食道炎が続くと食道がんに? |【苦しくない・痛みの少ない大腸カメラなら】福岡天神駅徒歩5分/駅直結 内科 胃腸内科「麻生クリニック」

院長コラム

たかが“胸やけ”逆流性食道炎が続くと食道がんに?


食道がんとは?

食道がんには大きく分けて2種類あります:

種類特徴主なリスク因子
扁平上皮がん日本人に多い喫煙、飲酒
腺がん(腺癌)欧米に多い、日本でも近年増逆流性食道炎・バレット食道

今回のテーマは、腺がんと逆流性食道炎の関係です。


バレット食道とは?

逆流性食道炎が長期間続くと、食道下部の粘膜が胃に似た構造(円柱上皮)に変化することがあります。これを「バレット食道(Barrett’s esophagus)」と呼びます。

バレット食道は生態防御的な適応反応の一種ですが、バレット食道は食道腺がんの発生母地として知られています。


逆流性食道炎 → バレット食道 → 食道がん

  1. 胃酸が繰り返し食道に逆流
  2. 食道粘膜が傷つき、バレット食道に変化
  3. 炎症による組織修復の過程で、細胞の一部が異常増殖(異形成)を起こし、腺がん

※腺がんへの進行リスクは、一般的には年間0.1〜0.5%程度ですが、バレット食道を持つ人は一般の方に比べて約30〜125倍のリスクがあると報告されています。


食道がんの早期発見は難しい

食道がんは、早期ではほぼ症状が出ないことが特徴です。症状(つかえ感、胸痛、嚥下困難)が出た際にはすでに進行がんとなっていることが多いため、定期的な胃カメラ検査が重要です。


逆流性食道炎の対策

項目内容
生活習慣の見直し禁煙、節酒など
逆流を助長する食事内容の見直し脂っこい料理、カフェイン、香辛料、炭酸など
薬物療法制酸剤で胃酸の逆流を抑える
定期的な内視鏡検査(胃カメラ)バレット食道の有無、粘膜の変化を観察


胃酸の逆流が続くことで、バレット食道が進行する場合もあります。
定期的な内視鏡検査(胃カメラ)が重要です。