院長コラム
潰瘍性大腸炎、クローン病で使用されるバイオシミラーって何?
ジェネリック薬品(後発医薬品)とバイオシミラー(バイオ後続品)の違いは?
バイオ医薬品とは?
がん、関節リウマチ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)などの治療に「バイオ医薬品」が広く使われるようになりました。バイオ医薬品とは、細胞や遺伝子工学の技術を使って作られた“タンパク質”のお薬です。インスリン、抗体製剤(インフリキシマブなど)がその代表例です。
効果は非常に高い一方で、開発や製造にコストがかかるため、薬の価格も高額になりやすいという課題があります。
バイオシミラーとは?
「バイオシミラー(biosimilar:直訳するとバイオを似せたもの)」は、特許期間が切れたバイオ医薬品をもとに作られた 後発品のことです。ただし薬の「ジェネリック医薬品」とは少し違います。
- ジェネリック薬:化学合成で作られるため、成分は先発品とまったく同じ
- バイオシミラー:有効成分であるタンパク質の基本構造(アミノ酸配列)は先行品と同じですが、タンパク質は複雑な構造を有しているため、まったく同じものを製造することはできません。すなわち「似ているけれど同一ではない」薬になります
バイオシミラーが安全性・有効性ともに 元の薬と同等 であることを厳格な試験を行った上で承認されている薬剤です。
患者さんにとっての利点
- 薬価が下がる
バイオシミラーは先発品よりも安価なため、自己負担の抑制につながります。 - 治療の選択肢が広がる
経済的負担が軽くなることで選択できる薬剤が増え、患者さんは継続しやすくなります。 - 医療制度の持続可能性
バイオシミラーの使用が広がることで、医療費全体の抑制され制度持続可能性に繋がります。
注意点
- 完全に同一ではないため、患者さんの病気の状態を考慮して切り替えは医師の判断で行います
- 先発品と同様に、副作用や効果をしっかり確認する必要があります。
- 副作用や効果に差が生じた場合は、先発品に戻す場合があります。
バイオシミラーは、先発品と同等の効果を持ち、価格を抑えた新しい治療選択肢です。
「薬代が高いから治療を続けにくい…」と経済的な理由が故に治療を選べないあるいは断念するような患者さんにとって、治療を身近にする力強い味方になりますよ。