院長コラム
サルコペニア・フレイルと便秘
高齢者のやせすぎは便秘にも悪い?
「体重が減ってきた」「筋力が落ちてきた」と自覚されている方も少なくありません。
実は サルコペニア(加齢性筋肉減少症)やフレイル(虚弱状態) は、便秘と深い関係があります。
サルコペニア・フレイルの違い
- サルコペニア:加齢や病気により筋肉量が減り、筋力や身体機能が低下した状態
- フレイル:体重減少、筋力低下、疲労感などが重なって、介護が必要になる前段階の「虚弱」
医学的には高齢者の生活の質(OQOL)や寿命に大きな影響を与えることが知られています。
なぜ便秘と関係するの?
- 腹筋・骨盤底筋の低下
→ いきむ力が弱くなり、排便がスムーズにできなくなる。 - 活動量の低下
→ 腸の動きを助ける「体の揺れ」や「歩行の刺激」が減り、腸管運動が鈍くなる。 - 食事量の減少
→ 栄養不足だけでなく、便の量が減って「出す刺激」が弱くなる。 - 水分摂取不足
→ 脱水や飲水制限により便が硬くなる。
高齢者のやせすぎは便秘にも悪影響?
やせすぎ=筋力・体力が低下した状態です。食事や水分も少なくなりがちな高齢者は、「出す力」も「便の材料」も不足した状態に陥りやすいため、容易に便秘が悪化しやすいと言えます。
便秘予防のためにできること
- 適切な栄養摂取(魚・肉・卵・大豆製品)をしっかり)
- こまめ水分補給
- 筋力維持(散歩、軽いスクワット、体操)
まとめ
サルコペニア、フレイルは、便秘にも影響します。
高齢者におけるやせている状態は健康とイコールとはいぜず、むしろやせすぎは便秘を悪化させる要因になります。水分・栄養を十分に接種して、適度の運動を取り入れることが、腸の健康を保つことが大切です。