院長コラム

Wash + Toiletを発明した日本人は天才?

新型コロナウイルスが世界を凌駕した2年を経て、ようやく訪日客の方が戻ってきましたね。
訪日外国人に関心が高い日本の文化、特に感動されるのが、清潔で快適なトイレです。
快適さの一つに、シャワー式トイレがあらゆる場所に設置されて点が挙げられます。

日本のシャワー式トイレ の商品名にもなっている「ウォシュレット」の語源をWash+Toiletと理解していましたが、調べてみると「Let’s Wash!  (さあ、おしりを洗いましょう!)」を逆にしたものとのこと。考えたコピーライターの方のセンスに大変感銘を受けてしまいました。

なぜこれほどまでに日本のシャワー式トイレ 普及しているかについて更に調べてみました。
普及率80%以上(一般社団法人日本レストルーム工業会調べ)
1世帯あたりの保有台数は1.13台(令和3年消費者動向調査)
シャワー式トイレは2台以上設置している家庭も多いと思います。

日本人がなぜこんなにもトイレを快適にする工夫するようになったか、考えてみたいと思います。

最大の理由はおそらく人種差からくる解剖上の違いです。
日本人は欧米人に比べて肛門の位置がお尻の奥深くにあります。
「洋式」トイレに腰掛けるとお尻の表面に肛門がでてきません。
「和式」トイレにかがみこむと日本人でもお尻の表面に肛門がでてきます。
昔の日本人が選んでいたトイレの選択は実に理にかなったものだったと驚かされます。

「洋式」に腰掛けて排便するスタイルは、便の切れが良くないとも言えます。
そうなると必然的に日本人がお尻をきれいにしようとすると、拭き上げに多くの紙が必要になります。
一方で欧米人は便の切れがいいため、紙はそれほど必要ではありません。
このため欧米ではペーパーを便と紙を一緒に流すという習慣がありません
(海外旅行にいくと便座の横に紙を入れるゴミ箱が備え付けてありますね)

日本人が「洋式」で便をするということは、お尻をきれいにする必然性が高まります。

紙での拭き上げは、刺激にもなりますし、衛生的にもあまりよくありません。
これこそが日本でシャワー式トイレ(シャワーで洗浄する)が普及した理由です。

シャワー式トイレは、日本独自の度重なる改良により独自の進化を遂げました。
今では世界の人が日本に来てその快適さに驚きお土産にする商品です。
人種による解剖学的違い、日本人の便の切れの悪さが、シャワー式トイレの発展、普及させ、世界の人たちを魅了しているってとても奥深いですね。