院長コラム

潰瘍性大腸炎 高齢者 ポリファーマシーも踏まえて

潰瘍性大腸炎は若い人に多いとされてきましたが、近年は高齢で発症する患者さんが増加しています。日本の高齢化も影響し、今後さらに高齢者UCは重要なテーマになっていきます。

高齢者に特有の課題

高齢の方は、糖尿病や心臓病、高血圧などの持病をすでに抱えていることが多く、複数の薬を服用しているケースが一般的です。これをポリファーマシー(多剤併用)と呼びます。ポリファーマシーは、薬の飲み間違いや副作用リスクの増加、腎臓や肝臓への負担などにつながります。

治療選択において大切なこと

高齢者UCでは、「効き目」だけでなく「安全性」を重視した治療選択が欠かせません。

  • 薬の種類や数を見直す:必要最小限に調整し、重複を避ける。
  • 感染症や骨粗鬆症への配慮:ステロイド長期使用は避け、生物学的製剤やJAK阻害薬も全身状態を見て選択。
  • 服薬支援の工夫:ピルケースや服薬カレンダー、家族の声かけで飲み忘れや重複を防ぐ。
  • 全身管理:栄養・水分補給、転倒予防、筋力維持を含めた総合的なサポートが重要。

高齢者のUC治療は腸の炎症を抑えることと同時に、全身の健康を守ることが大切です。
ポリファーマシーを意識して、医師・薬剤師・家族と協力しながら、安心して続けられる治療を選びましょう。