院長コラム
全身のかゆみ=皮膚の病気? 皮膚そう痒症とは
夏は暑くなることで汗が増え、皮膚トラブルが増える時期です。かゆい=皮膚の病気と思われがちですが、実は必ずしもそうとは限りません。湿疹や乾燥によるかゆみも多い一方で、体の中の病気がかゆみというサインで現れることがあります。
これを医学的には「皮膚そう痒症」と呼びます。
1. 皮膚そう痒症とは?
皮膚そう痒症は、見た目に明らかな発疹や湿疹がないのに、強いかゆみが続く状態を指します。皮膚そのものに原因がなく、肝臓・腎臓・内分泌系など全身の臓器の異常が背景にある場合があります。
2. 内臓疾患に起因するかゆみ
代表的なのは肝臓や胆道の病気です。
肝硬変や胆汁の流れが悪くなる病気では、血液中に胆汁酸などが増え、皮膚の神経を刺激してかゆみを起こします。また、慢性腎不全や透析中の方に特有のかゆみ、糖尿病や甲状腺疾患による代謝異常から生じるかゆみも知られています。
3. 年齢とリスク
若い世代では乾燥やアトピーが原因のことが多いですが、40歳を過ぎて全身のかゆみが続く場合には「皮膚科だけでなく内科疾患も疑う」ことが大切です。
血液検査ひとつで隠れた病気が見つかることもあります。
4. 受診の目安
かゆみが全身に広がる、夜眠れないほど強い、保湿や市販薬で改善しない。
このような場合には皮膚科と同時に内科も受診しましょう。
特に肝臓・腎臓・糖尿病などの生活習慣病リスクがある人は早めの検査が安心につながります。
全身のかゆみは、皮膚のトラブルだけでなく「体からのSOS」であることがあります。
皮膚トラブルと思わず内科の扉もたたいてみることが、病気の早期発見につながる場合があります。