院長コラム

内臓脂肪を深堀りする3

褐色脂肪  脂肪燃焼を助ける味方

脂肪といえば「たまると困るもの」と思われがちですが、中には燃やす脂肪も存在します。

それが 褐色脂肪 です。

褐色脂肪は、首のまわりや肩甲骨のあたりなど限られた場所にある特殊な脂肪です。
細胞の中に「ミトコンドリア」と呼ばれる小器官が豊富で、ここでエネルギーを燃やして熱を生み出します。つまり、褐色脂肪は体を温めながら余分なカロリーを消費するストーブのような存在なのです。

さらに近年の研究で、皮下脂肪の一部が環境によって褐色脂肪に似た働きを持つ ベージュ脂肪 に変化することがわかってきました。寒冷刺激、運動、特定の食事(唐辛子に含まれるカプサイシンなど)によってベージュ脂肪が活性化し、エネルギー燃焼を助けてくれるのです。

近年褐色脂肪やベージュ脂肪が注目されているのには医学的理由があります!
褐色脂肪やベージュ脂肪には肥満や糖尿病の予防・治療につながる可能性が推察されているからです。
実際に褐色脂肪の多い人は太りにくいという報告があり、世界中で研究が進められています。

ただし残念ながら、大人になると褐色脂肪の量は減っていきます。
子どもが寒さに強いのは褐色脂肪が多いためですが、加齢とともに褐色脂肪が減少し、代謝も落ちやすくなります。だからこそ「寒さに少し身をさらす」「日常的に体を動かす」といった生活習慣が、褐色脂肪やベージュ脂肪を刺激するシンプルな方法として推奨されています。

私たちの体の中には、脂肪を減らすための仕組みもきちんと備わっていることに驚きました。ためる脂肪とは正反対の燃やす脂肪をうまく活かすことが、健康的な体づくりの鍵になります。