院長コラム
内臓脂肪を深堀りする5
悪い脂肪が暴れるとどうなる?
脂肪は本来体を守るために必要な組織です。
しかしながら、内臓脂肪が増えすぎると悪い脂肪に変わり、全身に悪影響を及ぼします。
そのカギを握っているのが、脂肪から分泌される炎症性サイトカインです。
内臓脂肪がたくさんたまると、そこにマクロファージなどの免疫細胞が集まり、TNF-αやIL-6といった炎症性サイトカインを盛んに放出します。これが全身を巡ることで、じわじわと自覚症状がないまま、体の中では「炎症の種火」が燃え続けている状態が続きます(慢性炎症)。
悪い脂肪の暴走は、さまざまな病気の引き金になります。
・糖尿病:インスリンの効きが悪くなり、血糖が上がりやすくなる
・動脈硬化:血管の内側が傷つき、プラークがたまりやすくなる
・脂肪肝:余分な脂肪が肝臓に沈着し、肝臓に慢性的な炎症や線維化を進める
最近では、腸の難病、クローン病で「クリーピングファット」と呼ばれる腸管周囲の脂肪が病態に関わることがわかってきました。
炎症性サイトカインを出し続ける脂肪組織が、線維化や瘻孔形成を助長すると考えられているのです。
つまり悪い脂肪とは単なる余分なエネルギーではなく、病気を進める火種となります。放置しておくと、心血管疾患、肝疾患、腸の炎症性疾患まで幅広い領域で病気の発症につながってしまいます。
大切なのは、「悪い脂肪を暴れさせない」ことです。
生活習慣の改善、体重管理で少しでも内臓脂肪を減らすことが、悪い脂肪の暴走を起こさせずに病気の予防につながるのです。