院長コラム
下痢 なぜ人はウイルスにかかるとお腹をくだすのか?
夏に流行するエンテロウイルスやアデノウイルス。
一旦ウイルスに感染すると急激に吐き気と下痢が一気にやってくるのが特徴です。
いわゆる嘔吐下痢症です。ではなぜウイルスに感染すると人はお腹をくだすのでしょうか?
ウイルスは小腸の表面にある腸の壁細胞に感染します。
本来小腸は栄養や一部水分を吸収する場所ですが、ウイルス暴露により壁細胞が破壊されると栄養や水分を吸収できず便が水っぽくなります。
更にウイルスを排除するため腸に炎症が起こると、体は余計な水分を外に出せと号令を送ります。号令に従い腸管内に水や塩分がどんどん流れ込み、下痢が増悪します。
感染時にはウイルスを体外に出すため蠕動亢進(腸の動きが速くなる)、結果として食べ物や水分が吸収される前に腸を通過するため消化不良便になります。
腸内細菌バランスがくずれ、善玉菌が減ることで腸管バリア機能の低下します。
見方を変えればこれらはすべてウイルスを体外へ追い出そうとする防御反応ですので、無理に止めることなく不足した水分と電解質を補給して乗り切れば、多くの場合は自然回復していきます。