院長コラム
ウイルスも“いる”だけでは悪ではない
ウイルスがいる=病気になると思いがちですが、実はウイルスも“存在しているだけ”では必ずしも症状を起こすわけではありません。菌と同じように、ウイルスにも「潜伏」という状態があるのです。
潜伏感染という仕組み
単純ヘルペスウイルス(水ぼうそうウイルス)は、一度感染すると神経節の中に潜伏します。
普段は静かに身を潜めて何の症状も出しませんが、疲れがたまったりして免疫が落ちると再び活動を始め、口唇ヘルペスとして現れます。
つまり、ウイルスが「いる」ことと「病気になる」ことは別なのです。
不顕性感染
ウイルスに感染しても、症状が出ないまま終わるケースもあります。
これを「不顕性感染」と呼びます。
EBウイルスやサイトメガロウイルスは、多くの人が子どものうちに感染しますが、発熱やリンパ節腫脹まで経験する人は一部にすぎません。B型肝炎のウイルスも同様です。
常在するウイルス
近年の研究では私たちの腸や皮膚には常在ウイルス叢(ウイルソーム)が存在し、細菌と同じように共存していることがわかってきました。
これらは普段は無害ですが、バランスが崩れると体調に影響を及ぼす可能性があると考えられています。
まとめ
ウイルスも「いる=病気」ではなく、
・潜伏して活動を止めている
・感染しても症状を出さない
・常在して共存している
という側面を持っています。
つまり、ウイルスもまた環境や体のバランス次第では敵にも味方にもなり得る存在です。
大切なのはウイルスをゼロではなく、免疫力を整えてうまく共存していくことが重要です。