院長コラム
箸休めコラム 運動は三つ子の魂・・まで?
学習と運動 ― 小さい頃に身につけた土台の違い
小学生の頃は、漢字や英単語を「とにかく覚える」ことができるものです。しかし中学以降になると、丸暗記だけでは通用しなくなり、論理的に理解したり、自分なりに納得したりしてからでないと記憶が定着しにくくなります。学習には年齢とともに質が求められるようになるのです。
一方で運動も同じように年齢による学習の特徴があります。
運動の土台は“動きの黄金期”に育つ
運動神経や身体操作の基盤は、主に幼少期から小学校低学年にかけての「動きの黄金期」に形成されます。走る、跳ぶ、投げる、バランスをとるといった多様な動作を経験することで、脳と神経の回路が効率的に作られていきます。
この時期に豊かな運動経験を積んだ子どもは、大人になっても新しいスポーツに取り組みやすく、体の使い方の“引き出し”が多いのです。
学習と運動の違い
学習は年齢とともに抽象的・論理的な理解力が高まり、「後からでも挽回できる」面があります。大人から本格的に学んでも、理解を深めながら着実に身につけることができます。
一方で運動は、神経回路の柔軟性(可塑性)が高い時期を逃すと、ゼロから積み上げるのが難しくなります。大人になってから始めると、「頭ではわかるけれど体が動かない」という壁にぶつかりやすいのはそのためです。
共通点と違いのまとめ
・学習:小さい頃は丸暗記 → 成長とともに「理解」が必須
・運動:小さい頃に体験した多様な動きが一生の基盤に → 大人になると習得は遅いが工夫で補える
学習も運動も「小さい頃に身につけた土台」が大きな影響を与えます。
学習は後から論理や理解で補える一方で、運動は基礎の有無が顕著に表れやすいと言えます。
子どもの時期の体験は一生の財産である一方で、大人になってからの運動は多少遠回りでも子供とはちがった学び方の方法論が大切なのです。