院長コラム

一生続く、菌活!

押し活がはやっていますね。
自分の押しがあれば生きていけるって、インタビューに答えているZ世代を見ていると、夢中になれるものがあるって幸せだなと思います。

今日は腸内細菌の押し活、菌活についてお話します。
妊娠中無菌の羊水の中で育った赤ちゃんは、最後の難関である産道を通過する際に、お母さんの菌を譲り受けます。
「オンギャー」って泣いた瞬間に人間はすでに無菌ではないです。
赤ちゃんがお母さんからもらった菌は悪いものばかりでなく、有用な菌(乳酸菌)が多く含まれています。これら腸内細菌のお陰で、生まれてすぐ悪い病気にかかったりせずに済みます。

帝王切開で生まれた子供は産道を通らないため、最初に触れる助産師や看護師の菌を受け継ぐことも証明されています。

その後母乳を飲んだり、指しゃぶりをしたりして様々な菌を体に取り込んでいき、3歳ぐらいまでに多種多様な菌が先着順で受け入れ、自分の腸内で縄張り争いをした腸内細菌はフローラを形成していくと言われています。
健康であるためには腸内は多様性のある菌で構成されていることが重要です。
現代のように衛生的すぎる環境は、腸にとっても必ずしも優れているとは言えません。

子供を中心としたアレルギー性疾患の増加にも腸内細菌の関与が示唆されています。
早い者勝ちの腸内細菌なので、後から取り込んだ菌は、腸内にいる間は働くことはできますが、定着することはできずに排泄されてしまいます。

このため乳酸菌などの善玉菌の補充は1回で終わりでなく、毎日押し活、菌活により善玉菌毎日食べ続けないと効果は期待できません。

ヨーグルト、乳酸菌飲料も続けないと意味がないのです。
ぜひ押しの腸内細菌、菌活を意識した食事メニュー、献立を立ててみましょう。