院長コラム
「パワー(笑)」噛む「パワー」でオーラルフレール予防!
なかやまきん君って芸人さん知っておられますか?
ずっと一つの芸をやり続けて、人を笑顔にできるって素敵ですよね。
趣味の筋トレYouTubeが大人気「パワー(笑)」ってフレーズに知らないうちに「パワー」をもらっている人も結構おられると思います。
今日は噛む「パワー」と腸内環境について考えてみたいと思います。
諺でも「目は口程に物を言う」「口八丁手八丁」とか口が用いられたものは数知れず、口には「話す」「噛む」「飲み込む」などたくさんの役割があります。
医学の世界では、口の機能が衰えることを「オーラルフレール」と言い、早期の老化サインの一つと考えられています。
消化吸収の第1段階である口の機能が衰えると、噛む力が落ちます。
うまく咀嚼ができなくなると食事がうまく消化できない、おいしく感じない、食べるのが苦痛になるため食生活が悪化します。
また口がまめらないため、活舌が悪くなると人と話すのが億劫になるため、人との関わりを避けるようになるため一層老化がすすんでしまいます。
オーラルフレール予防のためにはよく噛むことです。
噛むことで、唾液が多く分泌され、消化を助けてくれます。
唾液には口の中を清潔に保つ機能もありますので、歯周病予防、口腔内の悪玉菌を減らしてくれます。
最近知りましたが、唾液には何とがんを抑制する酵素が含まれていることも証明されています。
良く噛むことは、唾液分泌を促し、結果としてがんを抑制する酵素の働きを活性化します。
噛むためには歯も重要です。成人の80%が何らかの歯周病にかかっていると言われています。
歯周病に関連する口腔内常在菌が、大腸がんの発がんや進行に関連していることも証明されています。
最近の研究では、歯周病菌は腸内に運ばれて、がんのみならず、糖尿病、関節リウマチ、アルツハイマーなど様々な病気の発症に強く関与していることが証明されています。
虫歯や歯周病にならないようによく歯磨きをすることは、がんの発病や進行を抑え、成人病や難病の発症も抑制することを意味しています。
また腸内環境が歯周病に及ぼす影響も研究で証明されるようになってきています。
動物実験では、高脂肪食を食べ続けたネズミは普通食を食べているネズミより歯周病が重症化していることが報告されています。高脂肪食を控えるような腸内環境を意識した食事管理、ならびに歯磨きによる歯周病の管理どちらもが重要であることは疑いようもありません。
これまで脳腸相関ばかりに注目が集まっていましたが、口と腸もかなりの接点があることが分かってきました。オーラルフレイルを予防して、腸内細菌のもつ「パワー」、噛む「パワー」が、若々しいあなたを維持する原動力になるとも言えます。
毎日の歯磨き、菌活にはぜひ励みましょう!