院長コラム
内臓脂肪と異所性脂肪 太っていないのにリスクがある理由
「痩せているのに脂肪肝と言われた」こんな経験はありませんか?
見た目の体重やBMIでは測れない隠れ脂肪とくに、脂肪のつき方が健康を左右します。
内臓脂肪とは?
内臓脂肪は、腸の周りや肝臓のすき間など、お腹の奥につく脂肪です。体を動かすエネルギー源としては重要ですが、増えすぎると、脂肪細胞から「炎症性物質」が分泌されて血糖・血圧・脂質代謝に異常をきたします。つまり内臓脂肪は代謝を乱すホルモンのような存在です。
異所性脂肪とは?
「異所性脂肪(Ectopic Fat)」とは、本来脂肪が少ないはずの臓器の中にまで脂肪が入り込んだ状態を指します。
代表的なのは
- 肝臓:脂肪肝(MASLD)
- 膵臓:脂肪膵(NAPS)
- 心筋:心臓脂肪化(脂肪心)
- 筋肉:筋脂肪浸潤(ロコモ・サルコペニアの一因)
これらの異所性脂肪は、画像診断(CT・MRI)で初めて見つかることが多いです。
異所性脂肪の怖さ
脂肪はまず内臓脂肪として蓄えて、脂肪の行き場を失った結果、異所性脂肪となります。
この状態になると、
インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる)→肝臓で中性脂肪が合成され、膵臓のβ細胞が疲弊して、糖尿病が進行するという状態になります。
痩せているのに脂肪肝?
日本人は欧米人に比べて皮下脂肪がつきにくく内臓や臓器に脂肪がためやすい人種のため、体重が標準でも脂肪が中にだけ溜まりやすく、あふれると異所性脂肪になりやすいと言えます。
内臓脂肪と異所性脂肪の関係
| 項目 | 内臓脂肪 | 異所性脂肪 |
|---|---|---|
| 主な場所 | 腸間膜・腹腔内 | 肝臓・膵臓・心臓・筋肉など |
| 原因 | 食べすぎ・運動不足 | 内臓脂肪の蓄積 |
| 見た目 | お腹が出る | 見た目では判断できない |
| 検査 | 腹囲・CT検査 | MRI・CT検査 |
| 主な病気 | メタボリック症候群 | 糖尿病・脂肪肝・動脈硬化 |
内臓脂肪が増えると、やがて異所性脂肪へ波及していきます。
脂肪を減らすも増やすも、生活習慣
内臓脂肪・異所性脂肪ともに食事制限よりも運動(有酸素+筋トレの組み合わせ)で減りやすいことが証明されています。運動によって筋肉がエネルギーを使うようになると、脂肪は再び正しい収納場所(皮下)に戻っていきます。内臓脂肪も異所性脂肪も、生活習慣を変えれば減る脂肪です。一方で夜更かし、過労、不規則な食事などの生活習慣は、脂肪を内臓に送り込む指令を強めてしまいます。
内蔵脂肪も異所性脂肪も体重や腹囲だけではわかりません。
脂肪がどこについているかが健康寿命を決めます。