院長コラム
健診謎解き 受けないと保険料アップ? ― 国保の取り組みとその背景
日本の国民健康保険(国保)では、ここ数年「特定健診(メタボ健診)」の受診率向上のために、健診を受けない人の保険料を加算する仕組みを導入し始めています。
背景にあるのは「アメリカ型インセンティブ」
米国では以前から健康保険会社が①健診や予防接種を受ける人に割引(インセンティブ)を与える②逆に受けない人には保険料を上乗せするといった仕組みを取り入れてきました。これは日本でも生命保険会社では契約時にインセンティブ①に関しては取りれられていると思います。
日本の国保の仕組みもアメリカの制度を模倣にした流れといえます。
では、受診率は上がったのか?
国保連合会などのデータでは、
- 特定健診の全国受診率は50%前後で頭打ちが続いていました。
- 保険料加算を導入した自治体では、確かに数%〜10%程度の受診率改善が見られています。
ただし「がん検診」のようにまだまだ低迷している領域もあり、健診を受けない人の中には
- 忙しい
- 健康に自信がある
- 医療不信
といった理由が強く、制度だけでは受診行動を変えきれない現実もあります。
メリットと課題
- メリット:医療費の増大を防ぐ狙い。生活習慣病を早期に発見できれば、将来の重症化予防につながる。
- 課題:
- 「強制感が強い」「不公平」という反発もある
- 本当に困っている低所得層がさらに受診から遠ざかる可能性も指摘されている
まとめ
- 国保の「健診を受けないと保険料アップ」は、米国の仕組みをモデルにしたもの。
- 受診率は一定程度改善しているが、まだ50〜60%止まり。
- 制度だけでなく、「なぜ受けた方がよいか」を伝える教育・支援が不可欠。