院長コラム

クロノアルコール  体内時計に合わせた飲酒術のすすめ

私たちの体には体内時計(サーカディアンリズム)があります。これにより、睡眠やホルモン分泌、肝臓の解毒代謝、血糖や血圧の変化などが管理されています。近年同じアルコール量でも、いつ飲むかによって体への影響が変わるということが少しずつ明らかになってきました。この考え方を応用したのがクロノアルコール(chrono-alcohol)という時間生物学に基づいた新しい飲酒法です。

夜の一杯より、昼の一杯が負担が少ない

肝臓のアルコール分解酵素(ADH・ALDH)は、朝から午後にかけて最も活発に働きます。
同じお酒を飲んでも、昼間のほうがアルコール分解が早く、血中濃度が上がりにくいのです。
夜間は代謝が落ち、飲んだ分が翌朝まで残りやすくなります。
肝臓は1時間に処理できるアルコールの量(約7g=ビール200mL程度)は決まっています。
限界を超えてしまうと未処理のアルコールが血中に滞留して脳・心臓・血圧に負担をかけてしまいます。
これを防ぐ方法が分散飲みです。同じ1日総量でも、血中アルコール濃度の急上昇を防ぐことができます。

夕方の一杯はストレスホルモンのクールダウン

夕方(17〜19時)はコルチゾールなどのストレスホルモンが再上昇する時間帯。
このタイミングで少量のアルコールを接種すると、交感神経の高ぶりを鎮める効果があり、家に変える理想的なスイッチになります。ただし、量が増えると反対に血圧を上げたり、睡眠を浅くするため、少量で終えることが原則です。

夜遅くの飲酒は睡眠と血糖の大敵

夜21時以降のアルコールは、睡眠の質を下げます。寝つきは良くなっても、深い眠り(ノンレム睡眠)が減り、夜間の中途覚醒が増えやすくなります。またアルコールによる夜間低血糖や胃酸の逆流により、朝のだるさ・集中力低下・肝機能悪化を招きます。

理想的なアルコールの飲み方

時間帯内容メリット
朝〜昼(10〜14時)少量(ワイン60〜80mLまたはビール100mL程度)肝代謝が高く、負担が少ない
夕方(17〜19時)少量(ワイン80mL・焼酎水割り1杯など)リラックス・ストレス軽減効果
夜(21時以降)なるべく控える睡眠・血糖・肝機能を守る

飲酒は時間帯でコントロールする時代へ

かつての健康法は量を減らすことが中心でしたが、これからは飲む時間帯で飲酒量を変更するクロノヘルスの発想が重要になります。同じ量でも、体内時計に寄り添うことで、代謝への負担を最小限にして楽しむことができます。

まとめ

・体内時計(サーカディアンリズム)にそった代謝リズムを理解して飲めばアルコールダメージは減らせる
・夜遅くの飲酒は、睡眠・血糖・肝機能に悪影響
・飲酒も体内時計に合わせる時代へ