院長コラム
早食いの方に朗報です。食後に1杯のコーヒーを!
仕事をしている方、お昼を取れないことも珍しくありませんよね。
仕事が忙しくて、早食いにならざる得ないという方も多いと思います。
自分もかなりの早食いなので、早食いの習慣を改めるのはとっても難しいことも理解できます。
ただ医学的に早食いはメタボリックシンドローム(メタボ)の一因であるとされています。
日本人のメタボと食事の速さおよびコーヒー摂取量との関連を検討した、日本の多施設共同大規模コホート研究J-MICC STUDYデーターを用いた臨床研究では、レギュラー(ドリップ)コーヒーまたはインスタントコーヒーの摂取量が1日1杯未満で早食いの群と比べ、1日1杯以上の群では食事速度に関係なくMetSのリスクが低く、1日1杯以上のコーヒー摂取が早食いに起因するMetSの予防に有用であると報告されています(Healthcare2024; 12: 603)
また食事速度の遅い群と比較して、速い群でメタボリスクが有意に高く、コーヒー摂取量が1日1杯以上の群では、食事速度に関係なくメタボリスクが有意に低い(OR 0.448~0.684)とされています。
コーヒーの種類、抽出方法、砂糖、ミルクの有無などの影響は検討されていないものの、食事のスピードの悪い影響を、1杯以上のコーヒーが打ち消すかもしれないというのは驚きです。
元々、コーヒーの摂取はメタボリスク低下させること、体重に影響を及ぼすことが以前から言われており、ポリフェノールの一種、クロロゲン酸については、体重低下に寄与することが推察されています(J Int Med Res 2007; 35: 900-908)
食後の1杯のコーヒーって、結構利にかなっていますね。
早食いで、コーヒー好きな人にとって、かなりの朗報ですね