院長コラム
糖尿病の食べ方「ベジタブルファースト」
「ベジタブルファースト」って聞いたことありますか?
糖尿病患者さんだけでなく、皆さんにおすすめできる食べ方です。
食後の急激な血糖上昇、その後の血糖の急降下 いわゆる血糖スパイクが血管を傷つけて、糖尿病の合併症を引き起こすと考えられています。
すなわち、緩やかな血糖上昇はとても血管に易しいと言えます。
食事の際にまず野菜を摂取する「ベジタブルファースト」は、食後血糖値の上昇を抑制すると報告されています(Clin Nutr 2020 ; 39: 950-957)
ではどのように食べたらいいのか、疑問に思いますよね。
医学的にも野菜の形状(固形または液状)によって食後血糖値に及ぼす影響が異なることが知られています(Br J Nutr 2018; 120: 1023-1033)
日本人を対象とした野菜を咀嚼することが食後血糖値、インスリンおよびインクレチンの分泌にどのような及ぼす影響を検討した報告では、咀嚼によりインスリン分泌が促進されること、その機序としてインスリン分泌を促進するインクレチンが食後早期に分泌されることが示させれています(Sci Rep2024; 14: 7557)。
野菜をよくかんで食べることで、インスリンおよびインクレチンの分泌が食後早期に促進され、血糖の緩やかな上昇につながることが裏付けられています。
私は昔から早食いで、もう少し落ち着いてよく噛んで食べなさいと怒られていました。
母の教えは医学的にも正しかったです。
よく咀嚼することは、早食い予防にも繋がります。
ぜひ野菜から、食べ始めからゆっくり噛んで食べてみましょう。