院長コラム
体調不良、鉄不足(貧血)かもしれません
最近疲れやすい、元気がない、気力がない、食事が美味しくないなどの症状はありませんか?
特に女性でそのような症状がある方の中に、かくれ貧血の方がおられます。
2019年(令和元年)の厚生労働省が行っている国民健康・栄養調査では、鉄1日の摂取量の平均値は20代(20~29歳)男性で7.4ミリグラム、20代女性で6.2ミリグラムでした。鉄の1日の推奨量は成人男性7.5ミリグラム、成人女性10.5ミリグラム(月経あり)です。女性は明らかに鉄不足です。
妊娠した場合は更に貧血が、著名となります。妊娠末期には非妊時と比べ血液量が35~40パ-セント程度増加するので、妊娠月数が進むにしたがい貧血の頻度が高くなります。このため、妊娠初期で9.0mg、妊娠中期・後期では16.0mg、授乳期では9.0mgと女性は男性よりかなり多くの量が必要となります。
この鉄分が不足すると酸素を体のすみずみまで供給できなくなり、貧血という現象が起こります。これを鉄欠乏性貧血といいます。
特に、女性は月経による定期的な血液の喪失があり、食事内容の簡素化、偏食、朝食の欠食などが加わることにより造血に必要となる鉄不足を招いていることが考えられます。
鉄のほかにも造血に必要な栄養素としてたんぱく質、ビタミンC、B6、 B12、葉酸、銅があります。偏食や欠食を避け、主食・主菜・副菜・汁物などを含めた一日30品目を目標にして栄養のバランスの良い食事を取るように心掛けましょう。