院長コラム

地中海食とメンズ・ヘルス

 果物や野菜を豊富に使う、乳製品や肉よりも魚を多く用いるなどの特徴を有する地中海食のすばらしさは前回お伝えしたとおりです。

「地中海食」は肥満の減少、2型糖尿病のリスク低下など内科疾患での、さまざまな健康上のベネフィットをもたらすことが報告されています。

米国より泌尿器疾患(に対する地中海食の効果を検討した58の研究をまとめた最新の報告(BMC Urol2024; 24: 48)によると、腎結石、前立腺肥大症、勃起不全、下部尿路症状、尿失禁の予防および改善に地中海食が有効であることが示されています。

元々、2型糖尿病の男性では勃起不全の有病率が高いことが知られていますが、低脂肪食群と比べて地中海食群では男性の勃起不全の有病率が有意に低下〔ハザード比(HR)0.44、95%CI 0.19~1.00、P=0.045〕が有意に低下することが報告されています(Diabetes Care 2016; 39: e143-144)。

食事指導は疾患別に指導されることが多いですが、地中海食は肥満や糖尿病の患者のみならず、腎臓結石、前立腺肥大、勃起不全などの男性ならだれもがなりうる疾患に対しても有用であることは驚きです。

個人的にも生活習慣病に加えて、メンズ・ヘルスも気になる年代になりました。

同世代の男性の皆さん、日本食と地中海食の割合を増やしていきましょう!