院長コラム
子宮頸がんワクチン²(キャッチアップ対象の方は9月までにぜひ1回目の接種を)
熱中症のニュースが毎日のように流れています。
暑くて死にそう・・・という言葉を良く耳にしますが、昨日コラムに続く女性のヘルスケアの話題、今回はもっと深刻な若い女性を死に追いやる子宮がんについての話題です。
日本における子宮頸がんの年間新規診断数は約1万人、死亡者数は約3,000人と報告されています。
子宮頸がんの主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染です。
ヘリコバクター・ピロリ菌のコラムでもお伝えしたように、発がんの原因でウイルスや細菌が特定されているのは胃がん、肝臓がん、子宮頸がんです。
原因がわかっているものについては、感染しない、つまり予防が大切です。
子宮頸がんはワクチン接種と定期検診により多くが予防できるがんです。
日本では2013年のHPVワクチン定期接種化直後にさまざまな症状が現れたとの報道が相次いだことをきっかけに不安が広がり、積極的接種勧奨が差し控えられた歴史があります。
2022年4月から接種勧奨が再開され、1997年4月2日~2007年4月1日生まれの女性に対するキャッチアップ接種事業も行われています。もちろん福岡市も対象です。
不安要素の多い、子宮頸がんワクチン摂取について、岡山大学の学生と教職員を対象に行ったキャッチアップ接種前後に調査結果が報告されています。
その結果によれば、ワクチンの副反応について、接種前は半数以上が不安を感じていたが、接種後には9割が「不安はない」、接種後2時間以内の副反応発現頻度は、1回目が4%、2回目が8%、3回目が6%。副反応で最も多かったのは注射局所の疼痛で、発現頻度はそれぞれ56%、65%、60%に上ったが、3日目までに大半が消失していました。局所の腫脹は28~41%、発熱は3~5%に認めました。
治療を要する重篤な副反応は認められなかったと報告されています。
当院もHPVワクチンのキャッチアップ接種が可能な施設です。
ワクチン接種について悩んでいる女性がおられたらぜひ一度ご相談にいらしてください。
また定期予防接種の女子中学生、女子高1年生(小学校6年生~高校1年生相当:2024年度に16歳になられる方)の皆さんは夏休みしか打てない方も沢山おられると思います。
ぜひ1回目を夏休みの宿題と一緒に終わらせましょう。
当院ではキャッチアップ、定期予防接種ともに、実施しております。
ぜひお問い合わせください。
★HPVワクチンのキャッチアップ接種事業は、2025年3月末で終了する予定です。
公費で3回接種を完了するには2024年9月までに接種を開始する必要があります。