院長コラム
「エナジードリンク」より、「魚介食」!
エナジードリンクが若者を中心にブームです。
コンビニに行くとかなりのスペースをとって置かれています。
エナジードリンクに限らず、滋養強壮系のドリンク剤には「タウリン」という表記があります。
テレビCMで「タウリン」が何㎎含まれているという売り文句を聞いたことがある方も多いと思います。
「タウリン」と聞くとどんなイメージを持たれますか?
「疲労回復」「パワーがみなぎる」ってイメージを持たれる方も多いと思います。
ヒトの研究結果で確認されているタウリンの生理機能は以下の通りです。
・肝機能、心機能の改善
・運動持久力の向上
・筋肉痛の改善
「疲労回復」「パワーがみなぎる」というイメージはあながち間違っていません。
タウリンは動物の体内に含まれているアミノ酸誘導体で、細胞や臓器が正常に働くために必要不可欠な成分です。
タウリンの最も重要な働きは浸透圧の調整機能(水分の調整)です。
浸透圧調整の分かりやすい例では、魚が釣りあげられ生命体として死んでしまっても、水膨れせずにみずみずしい状態で保たれているのはタウリンの浸透圧作用のお陰です。
タウリンは全身に存在しますが、浸透圧変化の大きい、腎臓、心臓、筋肉に多く存在します。
日本人の年齢別の血中タウリン濃度を調べた研究では、加齢による減少が他の民族に比べて少なかったことが報告されています。
その理由として、日本人はタウリンを多く含む魚介類の摂取が多いことが寄与している可能性が推察されています。
欧米人に比べて循環器疾患が少ないとされる日本人(Biomed Phamacother 2021)、諸説はいろいろありますが、日頃からの魚介摂取によるタウリン減少が少ないことも一因かもしれません。
水産物は、私たちの生命の維持に欠くことができない栄養素であるタンパク質の重要な摂取源です。
日本人が摂取するタンパク質のうち、魚介類は約17%です。エナジードリンクより日頃の食事に、1品魚料理を取り入れるだけでタウリン摂取量が増えて、パワーがみなぎってきますよ!