院長コラム

脳をいつまでも若々しく保つ秘訣

認知症に関する多数の論文を分析した報告が有名な医学雑誌「Lancet」から報告されています(Lancet Commision 2020)

それによる年齢を重ねるごとに12のリスク因子が複合的に重なりあい、それぞれのリスクを合計すると4割は生活習慣に原因があり、それらを改めること、避けることで認知症は予防できるという報告がされています。

認知症って、老化ではなく、生活習慣病なんですね。
報告では、認知症の年齢別リスク因子が示されています。

・~44歳 教育(7%)
・45歳~65歳 難聴(8%)、頭部外傷(3%)高血圧(1%)過度の飲酒(1%)、肥満(1%)
・66歳~喫煙(5%)うつ病(4%)社会的孤立(2%)運動不足(2%)大気汚染(2%)糖尿病(1%)

この論文を読むまでは、認知症は頭の老化、つまり新しい事をインプットする機会が少ないほどなりやすい、つまり教育の機会、教育の期間と関連する報告が多いと理解していました。
実際に若年~壮年(~44歳まで)は教育が大きく関与するようですが、それ以上の年齢では認知機能の低下リスクとして、難聴、社会とのつながりに関連する項目が生活習慣と同じかそれ以上に重要であることに大変驚きました。

脳をいつまでも若々しく保つための秘訣を「攻め」「守り」の視点で真剣に考えたいと思います。

「守り」は生活習慣病である、肥満、高血圧、糖尿病にならない生活習慣です
「攻め」は脳を使う生活です。

脳を使うって言われると、難しい勉強をしたり、本を読んだりしないといけないと考えて自分とは程遠いことと捉えがちです。

具体的に何をすればいいのでしょうか?次回コラムで医学的に脳に良いと言われるものに触れていきたいと思います。