院長コラム
胃の不調、Keyは十二指腸
酸曝露と脳腸相関
近年、胃の不調の出発点として注目されているのが、胃のすぐ先にある十二指腸です。
十二指腸は腸の始まりであり、胃と腸をつなぐ重要な場所です。
ここで胃酸が十分に中和されず、長く触れ続ける状態を「十二指腸酸曝露」と呼びます。
この状態が続くと、粘膜が刺激に過敏になり、わずかな刺激でも不快感として感じやすくなります。
胃カメラで胃に異常が見つからないのに、胃もたれや張り、ムカムカが続く場合、この十二指腸での酸処理がうまくいっていないことが関係している場合があります。
さらに重要なのは、十二指腸の刺激が、神経を通じて脳に伝わるという点です。
十二指腸は腸の始まりであり、腸と脳は双方向に影響しあうため、いわゆる脳腸相関によりいろいろな症状をきたす原因となります。
十二指腸が刺激に過敏になると、脳はそれを「不調のサイン」と受け取り、胃の動きを抑えたり、不快感を強く意識して、それ以上食事を入れないようにします。いわゆる生体防御反応(身体を守るための反応)とも言えます。結果として、胃が広がりにくくなり、食後のつらさが更に増します。
ストレス、不安、睡眠不足があると、この回路はさらに敏感になります。
心と胃腸の調子が連動しやすいのは、このためです。
皆さんが感じる胃の不調は、実は胃だけの問題ではなく、十二指腸と脳を含めた脳腸相関の中で起こっています。生命の不思議を感じますね。