院長コラム
胃の不調 十二指腸炎って言われました、胃炎じゃないですか?
粘膜バリアが弱っているサイン
十二指腸炎って、皆様にはあまりなじみがない病名かもしれません。
十二指腸は、胃のとなりになる指12本分の腸の始まり部分で、胃酸を受け止め、膵液や胆汁で中和する大切な役割を担っています。
この場所に炎症が起きた状態を、十二指腸炎と呼びます。
十二指腸炎で重要なのが、「粘膜バリア」の存在です。
十二指腸の粘膜は、本来は酸や消化酵素から守るための防御機能を備えています。
しかし、何らかの理由でこのバリアが弱くなると、酸の刺激を受けやすくなり、炎症や不快感が起こります。
粘膜バリアを弱める原因には、早食い、食べ過ぎ、脂肪の多い食事、ストレス、睡眠不足、頻繁な痛み止めの使用、飲酒など、日常生活に関係するものが多く含まれます。
特別な病気がなくても、こうした習慣が重なることで、十二指腸は刺激に弱い状態になります。
十二指腸炎の多くは無症状ですが、一部にみぞおちの痛み、胃の違和感、胃もたれ、ムカムカといった症状を自覚されているにもかかわらず、消化器内科専門医でない診療所やクリニックで胃カメラを受けて異常なしとされている方も少なくありません。そのため、原因がはっきりしないのに胃の不調が続くと受診される方も多くいらっしゃいます。
十二指腸炎は、酸が過剰という問題ではなく、粘膜を守る力が落ちている状態と考えると理解しやすくなります。例えるなら、紫外線が多い夏にスキンケアせずに出歩いて、肌荒れしている状態です。
肌あれしないように紫外線対策をしたり、スキンケアをされると思います。また肌あれの多くは生活習慣に依存していますので、食生活を見直したり、適切な肌対策をされると思います。
お肌を整えるように腸を整える習慣、とくに食習慣の見直しがとても大切です。
十二指腸は腸の始まりです。
私は「腸活は十二指腸から始まる」と思っています。
十二指腸をいたわることは、腸全体を守ることにつながります。