院長コラム
日本は健康食品発症の地
日本はサプリ、健康食品大国です。
日本の「国民・栄養調査」のデーターで、サプリメント摂取割合全体の40%弱です。男女ともに摂取している世代が多いのは60代、全世代で男性より女性の方が若干高いです。民間調査回会社によれば、現在1兆円規模ですが、ここ数年で市場は2-3倍に拡大すると考えられています。
最近サプリメントによる健康被害が新聞をにぎわせて、現在ちょっと下火になっていると思いますが、なんと100年間の健康食品ブームの歴史があります。戦中戦後の食糧不足の時代から、1962年の東京オリンピックを経て、高度経済成長に伴う食の欧米化、飽食の時代を契機に、日本人の興味は「ダイエット」「健康志向」へ急速にシフトしたと考えます。現在ファンクショナルフードは世界共通語ですが、機能性食品という概念は日本で生まれ世界中に広まった用語です。
健康食品の元祖は、皆さんが一度はおやつに食べた事のある、江崎グリコの「ビスコ」です。
グリコさんには「腸活」分野でも大変お世話になっているので、歴史を調べて驚きました。グリコの語源は筋肉のエネルギー源「グリコーゲン」1922年、漁師が釜でゆでている牡蠣の煮汁にグリコーゲンが40%以上含まれていることに注目して、初代江崎氏が牡蠣エキスを加えた栄養お菓子「グリコ」として名付けて健康食品の歴史第1号が誕生しました。その第2弾として1933年に胃腸の働きを臆する酵母配合クリームサンドとして誕生した「ビスコ」です。これらは1953年に厚労省から「特殊栄養菓子」として認可されています。
その後、昭和世代が一度は手にしたことある「リポビタンD」「ミロ」「カロリーメイト」「青汁」などを経て、1990年前半からサプリメントブームが来ました。2000年前後からトクホブーム「ヘルシア緑茶」、2006年にメタボが流行語大賞受賞してから、現在まで中性脂肪を下げる、血圧を下げるなど様々な売り文句があるトクホ製品が流通しています。2010年頃からプロテインブーム、2016年頃から腸活というキーワードに乳酸菌飲料が注目されています。こうして見てみると、日本人と切っても切り離せない「健康食品」、次回「健康食品」や「サプリ」の負の側面についても考えてみたいと思います。