院長コラム

土用の丑の日、うなぎの食べ過ぎに注意

「夏の暑い盛りにウナギを食べて夏バテに負けない体を作る」というイメージでうなぎを食べられる方も多いのではないでしょうか。

昔ながらの土用の風習は、夏の土用期間の丑の日に「う」の付く食べ物(梅干し・うどん・瓜(西瓜・胡瓜・冬瓜・南瓜・苦瓜)など)を食べて精気を養い、無病息災を祈願していました。

本来ウナギのおいしいシーズンは夏ではなく秋~冬です。
どうしてウナギを丑の日に食べるようになったか諸説ありますが、ウナギ屋の主人が江戸時代の蘭学者 平賀源内に「どうしたら夏もウナギを食べてもらえるか」と相談した際に、昔からの風習である「う」の付く食べ物を土用に食べる事にあやかって「土用の丑の日にウナギを食べるべし」という張り紙などを出すようにアドバイスした事が始まりとされています。

昔ながらの土用の食べ物の種、夏に水分、塩分補給をする意味でとても理にかなっています。
それがいつの日かうなぎに置き換わり、土用の日にうなぎを食べる習慣になりました。

鰻には、ビタミンA、亜鉛(免疫力を高める)、ビタミンB1・B2(疲労回復、糖と脂質をエネルギーに変える)、ビタミンD(骨や歯を丈夫にする)、ビタミンE(血行促進、細胞の老化防止)、カルシウム(骨を強くする)、DHA(悪玉コレステロールを減らす)、EPA(コレステロール、中性脂肪を減らす)など、さまざまな栄養素を豊富に含む魚です。うなぎが栄養価があり、精がつくとイメージされるのはビタミンBが含まれることに由来しているものと考えます。

ただし、ビタミンA(レチノール)は注意が必要です。
ビタミンAは脂溶性ビタミンなので過剰に摂取すると、体内に蓄積して健康被害を引き起こす恐れがある栄養素です。
特に妊娠中には、胎児への影響が報告されているため、摂取量には注意が必要です。
鰻のかば焼き100g(1人前)には、1500㎍のビタミンAが含まれています。
妊娠3ヶ月以内に鰻を食べる場合は、量を控える(鰻40~50g、半身程度)ことが重要です。