院長コラム
市販の便秘薬について
下痢止め薬 100 億円、便秘薬 250 億円の市場規模を有しています。便秘解消を売り文句にしている健康食品などを含めると300億円近いマーケットです。いかに世の中、便秘に悩んでいる方が多いかを表せていると思います。2016年より病院でのみ処方されていた「酸化マグネシウムE便秘薬」(健栄製薬)がドラックストアで発売されるようになり、非刺激性(お腹が痛くなりにくい)下剤は一般でも手に入るようになりました。正直これだけ売り出されると、どの便秘薬を選択したらいいの迷っている方も多いかと思います。
今回は、ドラッグストアでも購入できるマーケットシェアの高い便秘薬を3つ紹介します。
酸化マグネシウムE便秘薬(非刺激性)
・水分を集め便を柔らかくするだけなので、お腹が痛くならない
・依存性なし
・自分で調整して可
・マグネシウムを含むので、腎臓が悪い方は注意が必要
タケダ漢方便秘薬(刺激性)
・腸管運動を亢進させる大黄(だいおう)甘草(かんぞう)が配合
・依存性あり
・甘草(かんぞう)も含むため、電解質異常が起きる場合がある
・長期服用すると、大腸粘膜が黒く変色する(大腸メラノーシス)
コーラック(スルーラック)(刺激性)
・大腸の神経を刺激して、ぜん動運動を亢進し排便を促す
・依存性あり
・過剰に使用するとお腹が痛くなる
・長期服用すると、大腸粘膜が黒く変色する(大腸メラノーシス)
重要なことは非刺激性下剤をメインに使用、どうしても出ない時に刺激性下剤を使用することです。
市販の便秘を調整しても便秘が改善されない場合は、他の原因があるかもしれません。
一度専門医を受診してご相談されるとよいです。