院長コラム
ピロリ菌 除菌判定について⁷
ピロリ菌の除菌治療は内服して終わりではありません。
菌がいなくなったか診断するまでが治療です。
治療効果判定として、尿素呼気試験(絶食で来院、吐いた息を調べる検査)が最も優れています。
除菌薬を内服後、概ね2-3ヶ月後に検査をおすすめしています(少なくとも1か月以上は必要)。
除菌薬を飲み終わった直後に検査をしないのは、偽陰性(本当は除菌できていないのに、除菌できたと判定されてしまう)を避けるためです。
除菌後、以下の胃酸を抑える薬を内服サれている方は、少なくとも2週間以上服薬を中止した後に除菌判定を行います。これは、ピロリ菌に対してこれらのお薬が静菌作用を有するため、偽陰性(陽性であるのに検査結果が陰性となる)となることがあるからです。
酸分泌抑制薬は以下のものです。
ガスター(ファモチジン)
パリエット(ラベプラゾールナトリウム)
ネキシウム(エソメプラゾール)
タケキャブ(ボノプラザン)
ピロリ菌の再感染率は0.2~2%と極めて低率とされていますが、除菌後にも胃がんが発生する可能性がゼロにならないので、定期的に胃内視鏡検査(胃カメラ)などで検査をしていく必要があります。