院長コラム
アニサキス症、痛みが続く場合は胃カメラを
生魚が美味しい季節になりました。
胃アニサキス症って聞いたことありますか?
アニサキス症がよく発生する時期は12~3月の寒期が多いとされています。
アニサキスは、幼虫の時、オキアミを経てサバ、アジ、イワシ、イカなど様々な魚に寄生して感染幼虫になります。日本人は魚を生で食べる習慣があるので、他国に比べて、感染率が高くなっています。
幼虫が生魚といっしょに人の体内に入って、胃壁や腸壁に侵入すると免疫担当細胞の一つである
好酸球(寄生虫の感染に対する防御機構として働く細胞)が集まって、局所で炎症を引き起こします。
アニサキスという寄生虫を排除する(寄生させない)ための生体防御機構です。
この好酸球浸潤に伴う炎症の結果、胃壁や腸壁が腫れ上がり症状をきたします。
安全なのは加熱調理した魚を食べることです。またマイナス20度以下で24時間以上冷凍すればアニサキスの幼虫は死滅するので、冷凍保存されたものを食べると安全です。
症状は嘔吐や腹痛です。生魚(刺身)を食べた6~9時間後に症状がピークを迎え、7~10日くらいでおさまります。症状がなくて、たまたま画像検査を実施すると、胃壁や腸壁の肥厚が描出されることもあります。
治療は急性期(24時間以内)なら胃カメラを実施してアニサキスの虫体がいれば、体外へ摘出します。