院長コラム

身近な尿検査について

小さい頃から検尿していませんか?
もっとも身近な検査かもしれません。
理由は小さい頃は学校保健法により、社会人になってからは労働安全衛生法で尿検査の実施が義務づけられているためです。

人間ドックでは法律で義務づけられている尿蛋白、尿糖に加え、尿潜血も検査します。
今回はよく調べられる項目について説明したいと思います。

もし今年の健診に引っかかったら、健診要精査(要治療)時は当院へご相談ください。

尿蛋白
尿に含まれるタンパク質を調べます。通常タンパク質は腎臓で再吸収されるため、尿中に漏れてくることはありません。
陽性の場合、急性の腎炎、前立腺炎、膀胱炎などの良性尿路系疾患、がんなどの悪性疾患、ネフローゼ症候群などが考えられます。
ただし、運動後、発熱時、生理時などで一時的に尿蛋白が陽性になることもあります。

尿糖
尿に含まれる糖分を調べます。
血液中の糖濃度が一定を超えると、尿に漏れ出てきます。
陽性の場合、糖尿病、甲状腺機能亢進症、副腎疾患、腎性糖尿などが考えられます。
ただし、ステロイド内服中や妊娠でも尿糖が陽性になることがあります。

尿潜血
尿中のヘモグロビン(赤血球の成分)の有無を調べる検査です。
陽性の場合、腎臓、膀胱、尿路の炎症や腫瘍、結石などが考えられます。
女性の場合、生理の影響で陽性になるケースも多くみられます。生理中は尿検査を避けた方がいいとされるのはこのためです。