院長コラム
片頭痛予防効果のある「サングラス」
夏のアイテムといえば、サングラス。
ファッショングラスの多くは、紫外線カット機能のないものが多く見受けられます。
また眩しさを抑えるためついつい濃い色のレンズを選びがちですが、濃い色のサングラスは逆に瞳孔が開いて紫外線がより多く眼に入るものもあります。
最近では無色透明のレンズでも紫外線をカットするものがあります。
私もこの透明レンズ入りのものを利用しています。
片頭痛予防という観点でのサングラス選び
片頭痛は脳の血管が拡張して、脳神経が刺激されることにより頭痛が生じる病気です
脳の血管が拡張する要因は、平時から急激な変化が起きた際に誘発されやすくなります。
片頭痛が生じるきっかけ
- ストレスがかかった時、ストレスから解放された時
- 寝不足、睡眠過多
- 空腹時
- 光
- 騒音
- におい
- アルコールなど特定の飲食物の過剰摂取
- 気候・気圧の変化
- 女性ホルモン(エストロゲン)の変動
現在は梅雨の時期で、気候・気圧の変化による頭痛の方が多いですが、これから梅雨があけるようになると、今度は光刺激による頭痛の方が増えてきます。
サングラスは紫外線予防の観点からも重要なアイテムですが、同時に片頭痛の方の光刺激(光過敏)をブロックするためにも重要です。
以前より色によって光過敏の起こり方が異なるのではないかということが指摘されていました。
最新の研究では、緑は片頭痛患者にとって最も光過敏を起こしにくい色であり、青が最も起こしやすく、白はその中間に位置することが示されています(Noseda R, et al. Migraine photophobia originating in cone-driven retinal pathways. Brain 2016, doi:10.1093/brain/aww119)
片頭痛持ちの方のサングラス選びは、医学的に「緑」と覚えていたただければいいと思います。
ぜひおしゃれなサングラスを身に着けて、この夏の紫外線と光刺激を乗り越えましょう!