院長コラム

脂肪肝って言われたことはありませんか?

脂肪肝とは
肝臓に余分な糖分や脂質が中性脂肪に変換されて肝臓に蓄積された状態を指します。
脂肪肝は男性の3~4割、女性の1~2割に認めますが、症状が出ることはまずありません。
多くの場合は、健診の血液検査で肝機能が上がっており、超音波検査をしたら脂肪肝と診断されるパターンです。

脂肪肝の種類
ASH(アルコール性脂肪性肝炎)
アルコール摂取(男性30g/日, 女性20g/日以上エタノール)が原因で炎症を起こしている状態

NASH(非アルコール性脂肪肝炎)
肥満、糖尿病、脂質異常症、運動不足などにより肝臓に脂肪が蓄積することで、慢性炎症を起こしている状態。NASHは肝がんのリスクが高く(脂肪肝から発がん率0.044%/年、NASHからの発がん率0.529%/年)糖尿病、脳血管障害などの発症率も上昇させるため、肝臓以外の病気にもなりやすい状態と言えます。

原因
お酒やカロリーとりすぎ、運動不足などがあります。

治療
食事、運動などの生活習慣の改善です。食事では特に脂質とアルコールを制限することが勧められています。

健診で肝機能異常を指摘されている方の中にNASH(ナッシュ)の方がおられるかもしれません。
一度ぜひ医療機関へ受診して、腹部超音波検査を受けましょう。超音波検査は脂肪肝の診断に有用なだけでなく、脂肪肝以外の病気の診断にも有用です。