「便秘と下痢を繰り返」「トイレが不安で外出できません」過敏性腸症候群かもしれません |【苦しくない・痛みの少ない大腸カメラなら】福岡天神駅徒歩5分/駅直結 内科 胃腸内科「麻生クリニック」

院長コラム

「便秘と下痢を繰り返」「トイレが不安で外出できません」過敏性腸症候群かもしれません


過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群は、検査では異常がないにもかかわらず、腹痛や便通異常(下痢・便秘)などの症状が長期間続く機能的疾患です。

  • 症状は数週間〜数年単位
  • 緊張やストレスで悪化しやすい
  • 若年層〜中年層に多い

主な症状と分類

主なタイプ特徴
下痢型(IBS-D)食後すぐに強い便意、何度もトイレに行く。
便秘型(IBS-C)腹部の張りや不快感が強い、便が出にくい。
混合型(IBS-M)下痢と便秘を交互に繰り返す。
分類不能型(IBS-U)下痢も便秘もないが、慢性的腹痛や不快感あり

IBSの腹痛は排便によって軽減することが多いのが、特徴です。


原因は「腸」だけじゃない?(腸脳相関

発症には、以下のような複数の要因が関与していると考えられています:

  • 自律神経の乱れ
  • ストレス
  • 不安、うつ傾向
  • 食生活(脂質・カフェイン・アルコール等)
  • 腸と脳の過敏な相互作用(腸脳相関

診断

IBSは他疾患(大腸がん・炎症性腸疾患など)を除外した後の診断です。検査せずにIBSという診断はできません。

  • 問診(症状の経過、排便パターン)
  • 血液検査
  • 超音波検査
  • レントゲン
  • 大腸内視鏡検査

◆ 治療法と対処法

1. 生活習慣・食事の改善

  • 食物繊維の摂り方を調整(便秘型では増やす、下痢型では控える)
  • 低FODMAP食(別コラムに記載しています!)が有効な場合も
  • カフェイン・アルコールの過剰摂取を控える
  • 脂肪分の過剰摂取を控える

2. 薬物療法

  • 整腸剤
  • 消化管運動調整薬
  • セロトニン5-HT3受容体拮抗薬(ラモセトロン塩酸塩)
  • 抗不安薬・抗うつ薬(脳腸相関へのアプローチ)

3. 心理的アプローチ

  • 認知行動療法
  • マインドフルネス
  • 瞑想
  • カウンセリングなど

うまく向き合えば、生活に支障をきたさずに仕事や学校に通えます

過敏性腸症候群はかつては、気のせい、仮病といわれているものでした。緊張するとお腹がぐるぐるなる、試験前や試合前にお腹が痛くなることはありませんか?
ストレスの多い現代社会では、誰でも発症する可能性があり、正しく向き合えば改善できます。
症状がつらく、生活に支障をきたす場合は、早めに消化器専門医(当院)に相談してください。