院長コラム

みぞおちが痛い、熱い…でも検査は「異常なし」?

たべすぎ、飲み過ぎが多くなるこの時期だからこそ起こりやすい症状・・・

「みぞおちがじんじん痛い」
「胸が焼けつくような不快感がある」
「食べると、痛みが強くなる」

こうした症状は、
ピロリ菌や胃潰瘍がないのに、潰瘍が出来た時のような不快感を覚えるのが特徴です。

痛みの原因は「知覚過敏」?

食道や胃の粘膜に明らかな異常はなくても、「痛みを感じやすくなっている」状態です。
これは「内臓知覚過敏」と呼ばれる状態で、少しの空気、胃酸や胆汁などの刺激でも不快な症状(痛みや焼けるような感じ)が出現してしまいます。内臓知覚過敏では、胃や腸に加わる通常の刺激を過剰に不快に感じてしまいます。

内臓知覚過敏=“敏感すぎる胃”

たとえば…

健康な方(150gの食事 → 胃が軽く張る感覚)

内臓知覚過敏の方(150gの食事 → 圧迫感・痛み・吐き気)

胃や腸の構造的な異常や病気などがないにもかかわらず、同量の食事過敏に反応してしまうことで症状が出ます。

なぜ神経が過敏になるのか?

以下の複数の要因が組み合わさっていると考えられています。

  1. 自律神経のアンバランス
     ストレスや緊張状態が続くと交感神経が優位になり、神経伝達が過敏になります。
  2. 脳の痛み制御の乱れ
     脳には本来「痛みを抑えるブレーキ機能」がありますが、これが低下すると胃腸からの信号を過剰に感じ取ります。
  3. 過去の消化器疾患や感染
     過去に胃腸炎など感染症を経験すると、それを境に神経過敏になる場合があります(「感染後ディスペプシア」と呼ばれています)。

治療法

  • 胃酸を抑える薬(PPI・H2ブロッカー)
  • 漢方(半夏瀉心湯や黄連解毒湯)

「検査異常なし」で症状だけ続くは機能性ディスペプシア(FD)これまで「気のせい」「気持ち次第」と片付けられてきた疾患です。それらの症状は体が出している小さなSOSかもしれません。
症状を抑えるだけでなく、自律神経を整えるような治療法も重要です。