院長コラム
薬で便秘になる?薬剤性便秘とは
「最近、便秘がちになった気がするけど、年齢のせいかな…」
「食生活や運動不足が原因かもしれない」
そう考える方は多いと思います。ところが、実は “薬の副作用” が便秘の原因 になることも少なくありません。これを「薬剤性便秘」と呼びます。
薬剤性便秘って何?
便秘には、大きく分けて2種類あります。
- 機能性便秘:食物繊維不足、水分不足、運動不足、加齢など、生活習慣や体質によって起こるもの。
- 薬剤性便秘:服用している薬の影響で、腸の動きが弱くなったり、水分が吸収されすぎたりして起こるもの。
特に高血圧、心臓病、精神疾患、慢性の痛みなどで長期間薬を使っている方に多くみられます。
どんな薬で起こりやすい?
代表的なものとしては、
- 高血圧の薬(カルシウム拮抗薬など)
- 心臓の薬(ジゴキシンなど)
- 抗うつ薬などの抗精神病薬
- 痛み止め(モルヒネなどのオピオイド系鎮痛薬)
- 鉄剤
- 胃薬
などがあります。
便秘が実は薬の影響だった、というケースも珍しくありません。
薬剤性便秘のサイン
- 薬を飲み始めてから便秘になった
- 以前より下剤が効きにくくなった
- 便秘と同時に、吐き気・お腹の張りなどの症状もある
こんなときは、薬が関係しているかもしれません。
大切なのは「気づくこと」
薬剤性便秘は、薬を中止しなくても工夫次第で改善できる場合が多くあります。
まずは「薬も原因になるんだ」と知っておくことが大切です。
次回以降のコラムでは、実際にどのような薬で便秘が起こりやすいのか、分野ごとに詳しく紹介していきます