院長コラム
スマホ片手の食事がもたらす“静かな胃腸ダメージ”
「ながら食べ」とは?
「ながら食べ」とは、テレビ・スマホ・タブレットなど別のことをしながら食事をする行動のこと。
特に最近は、ランチやディナー時の特に一人ご飯の際にスマホを見ながらの食事している方を多くみかけます。しかし、「ながら食べ」には消化管や脳に意外なデメリットがあるのをご存じでしょうか?
「噛む回数」が減る
スマホの画面に集中すると、咀嚼の回数が自然と減ってしまいます。
その結果、
- 唾液の分泌量が低下 → 消化酵素(アミラーゼなど)の働きが弱まる
- 大きなまま飲み込む → 胃への負担増加・胃もたれ・膨満感
- 食道胃の蠕動運動が鈍る → 機能性ディスペプシア(FD)や逆流性食道炎(GERD)に影響あり
満腹感を感じにくいため、過食に陥りやすい
スマホに意識が向いていると、満腹中枢が刺激されにくくなります。
「気づいたら食べ過ぎていた、飲みすぎていた」という状態になりやすいです。しかも、食べ終わった満足感が少ないため、間食や夜食が増えるリスクも高まります。
“マインドフルイーティング”の逆行動
最近注目されている「マインドフルイーティング(=食事に集中し、味や食感を丁寧に味わう食べ方)」とは真逆の行為です。
ながら食べを続けていると…
- 食べることへの関心が薄れて、健康への意識が低下
- 食欲のコントロールが効きにくくなり、肥満が原因となる生活習慣病につながりやすい
消化器への静かなダメージ
「ながら食べ」は以下のような症状の一因になっている可能性もあります
- 食後の胃もたれ
- 腹部膨満感
- 排便リズムの乱れ(便秘・下痢)
- 逆流性食道炎の悪化
秋の味覚は目、舌、心で味わって
食事は単なる栄養補給ではなく、「五感を使う健康習慣」です。
せっかくの美味しい季節、スマホを置いて丁寧に味わってみてください。そうした食べ方が胃腸の健康だけでなく、心の満足度も高める第一歩になるかもしれません。