院長コラム

お酒+αで膵炎リスクが上昇?

「お酒をよく飲むので肝機能には気をつけてるけど、膵臓までは考えたことがない」そんな方も多いのではないかと思います。

実は膵炎はお酒だけでは起こりません。膵炎のリスクはお酒+αという複数の要因が重なることで、一気にリスクが高くなります。

膵炎リスクは「アルコール+脂質」

膵炎の原因として最も有名なのがアルコールです。これに加えて 脂っこい食事(高脂質食) が合わさることで、膵臓へのダメージが跳ね上がります。

膵臓は食事の中でタンパク質を分解する酵素(リパーゼなど)を出す臓器です。アルコールにより負荷がかった上で、脂質の多い食事によってリパーゼが過剰になった状態では、自分である膵臓そのものを消化してしまうとても危険な状態に陥る場合があります。

飲み会後のラーメンや揚げ物〆が実は膵炎発症のきっかけになることもあるのです。

アルコール+喫煙も膵臓には大敵

意外かもしれませんが、喫煙も膵炎や膵がんのリスクを高めることが分かっています。タバコの成分が膵臓の血流や細胞に悪影響を与え、アルコールとセットになることで炎症のリスクが増加します。

薬も組み合わせ次第では膵炎の原因に

コレステロール、血糖値を下げる薬、抗生物質、利尿剤などにより稀に膵炎を引き起こす薬剤性膵炎というものも存在します。

遺伝的リスクとの“掛け算”に注意

さらに厄介なのが、膵炎になりやすい体質(遺伝的素因)がある人の場合、これらのリスクが掛け算で効いてしまうという点です。

たとえば、軽い飲酒、脂質過多だけで膵炎を発症する人もいます。遺伝的にリスクが高い人では、一般的にそこまで悪くないとされていない生活習慣でも膵臓が耐えられないのです。

膵臓は症状が出たときにはすでに重症化していることも珍しくありません。

もし以下のようなライフスタイルに心当たりがあるなら、膵臓の健康を意識してみましょう。

  • 飲酒、脂質多めの食事が週に複数回
  • 飲酒、喫煙の習慣あり
  • 過去に膵炎や膵酵素の異常を指摘されたことがある
  • 膵臓病の家族歴がある

少しの見直しが、将来の大きなリスクを防ぐことにつながります。