院長コラム
今、日本人は食物繊維が不足している。
1950年初旬には1日25g近いの食物繊維を摂取していましたが、2012年には15gを下回っています。
食物繊維というと根菜類、きのこ類をイメージされる方が多いとおもいますが、実はこれら副菜からの食物繊維の摂取量は減少していません。
1日10g近い食物繊維の摂取が減少した主な理由は穀物由来の摂取が減少したことに起因しています。
以前は玄米などの精米度の低いものを主食としていましたが、現在はコメの摂取量そのものが減少していることに加えて、小麦などの繊維の少ない穀物を主食とするようになったためと考えられています。
驚くべきことに、食物繊維が1日5g減少すると、便秘のリスクが2.5倍上昇すると報告されています。
50年以上前の日本人と比較して、便秘になりやすくなったのは当然と言えます。
日本人1日あたりの食物繊維の摂取目標は20gですが、野菜や根菜のみで摂取しようとすると相当の野菜を食べないといけません。ベジタリアンでもない限りこれだけの食物繊維を主菜(穀物)以外でとるのは困難でしょう。
健康志向でカロリーのみに注目されがちですが、玄米や米粉を使用したパンもありますので、食物繊維という観点からぜひ積極的に主食、特に穀物の摂取を意識した食生活の見直しを行っていただき、ぜひ薬いらずの快食、快便をめざしましょう!