院長コラム

世界の昼寝文化 ― シエスタについて考える

昼食後に訪れる眠気は、人間に共通した生理現象です。
しかし、その眠気への向き合い方は国や文化によって大きく異なります。

代表的なのが スペインやラテン諸国の「シエスタ」です。
昼休み2〜3時間休息時間をとり、昼食後昼寝をしたあと夕方から夜にかけて再び働く生活スタイルです。暑さの厳しい地域では合理的であり、長年文化として根付いてきました。
ただし近年は都市化やグローバル化により、シエスタの習慣は縮小傾向にあります。

近年アメリカやヨーロッパで広がるのは「パワーナップ(15〜20分程度の短い仮眠)」です。NASAや大手企業がその効果を研究・導入したことで、集中力向上や事故防止に役立つと急速に広まりました。
カフェインと組み合わせた「コーヒーナップ」も人気で、効率的な昼寝が推奨されています。

「昼寝」は万国共通の健康法なのです。

一方で日本はどうでしょうか。
昔から昼寝=怠けとされる価値観が強く、オフィスや学校で寝ることはタブー視されてきました。
しかし近年ではオフィス内に昼寝用スペースを設けたり、教育現場でも短い休息を認める動きが出ています。世界一睡眠時間の日本人こそパワーナップを取り入れる余地や必要性が大きい社会といえるでしょう。

伝統的シエスタ☓科学的パワーナップが昼寝の重要性を証明しています。国や時代は違っても「昼の眠気とどう付き合うか」は万国共通の課題です。昔からのシエスタ、現代のパワーナップには人類の知恵が集約されていると思います。