院長コラム

健診謎解きシリーズ:健診前の注意事項の“なぜ?”(絶食時間)

第1回 なぜ10時間も絶食するの?

健康診断の案内に「検査前は10時間絶食」と書かれているのを見て、「どうして10時間? 8時間じゃだめなの? 12時間では長すぎるの?」と思ったことはありませんか。

血液検査では、血糖値や中性脂肪、コレステロールなどを調べます。食後すぐは血液中に糖や脂肪があふれ、数値が高く出てしまいます。正しい数値を測るには、食べ物の影響が消えるまで待つ必要があります。その目安が 約10時間 なのです。

8時間ではまだ食後の影響が残ることがあり、反対に12時間以上空けると、今度は体が「飢餓モード」に入り、血糖値が下がりすぎたり脂質の値が変動したりすることがあります。つまり 短すぎても長すぎても正しい結果が出にくい のです。

このため、医学的に最も安定して信頼できる条件が「10時間前からの絶食」とされています。
健診で得られる数値は、将来の健康リスクを評価する大切な材料。
少しの準備で精度の高い検査結果につながります。

健診は「今の自分の体を知るためのチャンス」。前日の工夫が、未来の健康を守る一歩になるのです。