院長コラム
謎解きシリーズ:健診“なぜ?”(血圧測定補足)
第4回(補足) 血圧は測れば測るほど下がるって本当?
血圧測定でよく耳にするのが「何度も測るとどんどん下がる」という話。これは単なる気のせいではなく、科学的証明されている現象です。
血圧は自律神経の働きに大きく左右されます。
最初の測定では緊張や不安で交感神経が優位となり、血圧が上がりやすくなります。
しかし繰り返し測るうちに「慣れ」が生じ、副交感神経が働いてリラックスして血圧が少しずつ下がっていきます。これを 馴化(じゅんか)現象 と呼びます。
では、何回測るのが正しいのでしょうか?
日本高血圧学会のガイドラインでは、血圧測定は 最低2回、場合によっては 3回 行い、その平均値を用いることが推奨されています。4回以上測っても低下傾向が続くことがあり、かえって「どの値を信じるべきか」判断が難しくなるため、通常の健診や診療では2〜3回が標準とされています。
さらに家庭血圧の測定では「朝と夜にそれぞれ2回ずつ測定して平均を記録する」ことが推奨されています。診察日に複数日のデータを合わせて判断します。つまり、1回の数値ではなく平均で見ることでその方の血圧診断が行えるということです。
「測るたびに下がる」というのは自然な反応であり、異常ではありません。
1年の1回で健診で緊張するのは当たりまえ、最初の1回だけで判断せず複数回測って冷静に血圧を確認しているのです。