院長コラム
箸休めコラム 田中将大投手から学ぶ 適応力、調整力
プロ野球・田中将大投手が日米通算200勝を達成しました。
10代で頭角を現し、日本人最多の開幕24連勝、メジャーでも長年にわたり先発ローテーションを守り続ける。その背景には、単なる才能だけでなく、医学的視点から見ても驚異的な適応力があります。
投手の肩・肘は酷使の象徴
野球の投球動作は、肩関節に体重の数倍の負荷を繰り返しかけます。
肘の内側には強烈な引っ張り力が加わり、トミー・ジョン手術をうけたプロの投手は両手では足りないほどいます。選手にとって避けがたい肘の故障は長年投げ続けた投手のある種、宿命とも言えます。
にもかかわらず田中投手は大きな手術を避けながら長年登板を続け、200勝という偉業に到達しました。
長寿選手に共通する適応力、調整力
田中投手だけでなく、イチロー選手、山本昌投手など長く現役を続けた選手に共通するのは「無理のない適応」です。
・フォームを微調整しながら、常に体にかかる負担を分散する
・筋力だけでなく、柔軟性を維持する
・登板間隔で回復を最優先する
医学的にいえば、関節や筋肉に過剰なストレスをできるだけ減らしながら、微調整しながら持続させるという適応力を最大限に活かしてきた結果です。
数字の裏にある「休む勇気」
全盛期を過ごしたメジャーでは、中4日登板という日本より厳しいローテーションが課されます。その中で登板回避やリハビリを挟みながら一定の成績を残しつづけてキャリアを紡いできたのも特徴です。
これは医学的にも極めて合理的で、「継続するために休む勇気」が長期的な成果を生んだといえます。
田中将大投手の200勝という記録達成は、単なる才能や努力の結晶のみではありません。
投球動作がもたらす肩や肘に過度な負担がかかりすぎないように、フォームや生活を調整しながら、無理をせず時に休みながら継続してきた自己管理と調整力の賜物と言えます。