院長コラム
台風と腸の不調 気圧の変化はお腹にも響く?
台風が次々と発生する時期になりました。
台風近づいてくると、頭痛やめまい症状が出る人は少なくありません。
これは気圧変化に神経が敏感に反応するためですが、実は気圧変化が腸にも影響が及ぶことがあることはあまり知られていません。
気圧変化と自律神経
気圧が下がると体は「低酸素状態」に近づきます。
これに対処しようと自律神経が緊張し、交感神経と副交感神経のバランスが崩れます(交感神経優位)。腸は自律神経の影響を強く受ける臓器であるため、便秘や下痢といった腸の不調につながります。
台風シーズンに悪化する腸の病気
過敏性腸症候群(IBS)の患者さんは、台風の季節に症状が悪化するケースが多いことが報告されています。これはストレスだけでなく、気圧の乱れによって腸の感受性が高まり、通常なら問題にならない刺激で下痢や腹痛などの症状が出やすくなるためと考えられています。
気圧変化と腸内ガス
昔理科の授業で習ったように気圧が下がると気体は膨張します。飛行機に乗ったときに普段よりお腹が張りやすいことからもわかるように、腸内ガスも例外ではありません。
台風の時期に経験するお腹の不調、実は腸も天候と無関係ではありません。
腸は環境変化に敏感な気象センサーでもあるのです。