院長コラム
欧米はなぜ積極的にワクチンを打つのか?
欧米ではHPVワクチンをはじめとする予防接種が社会に浸透して成果がでています。なぜこれほど差がついてしまったのでしょうか。
大きな違いは「予防に対する価値観」です。
欧米では「病気になる前に防ぐ」ことが当たり前で、がんも感染症もワクチンで防げるなら打つという考え方が根づいています。特に米国やオーストラリアでは学校単位で接種が行われ、子どもが自然にワクチンを受けられる仕組みが整っています。
その結果、オーストラリアでは子宮頸がんが将来根絶が期待されるほど、劇的に減少しているのです。
対して日本は皆保険制度のため、体調が悪くなればすぐに病院にかかれて薬を処方してもらるという恩恵がすべての人に平等にあるため、病気にならないようにしようという発想にはなりにくいとも言えます。
欧米では学校や地域での集団接種が進められていますが、日本は自己判断に任され、手続きや費用の壁が存在します。
欧米では医師や公的機関が「ワクチンで防げる命がある」というメッセージを強く発信して、科学的根拠をもとに説明する姿勢が徹底しています。一方日本ではリスクに関する報道のメッセージ性が強すぎて、ワクチンの利益が十分に伝わっていないのも原因の一つと考えます。
ワクチンは「個人の選択」であると同時に「社会全体の利益」でもあります。
欧米では社会全体の利益として捉えられているため、皆で打つことが当たり前になっています。