院長コラム

サ活1 サウナを科学する ととのうの正体

サウナ大好き、1年に1回、サウナブログにぜひお付き合いください。
サウナ好きの方でもそうでない方でも、本当にからだにいいのかと疑問に思ったことありませんか?

世界の研究ではサウナを科学的温熱療法(Thermal Therapy)として再評価する動きが進んでいます。
その中心となっているのが、サウナ発祥の国フィンランドをはじめとした北欧諸国の疫学研究です。

サウナと死亡率 ― フィンランドの大規模追跡研究

2015年JAMA Internal Medicineでは以下の結果が示されています。

・対象:中年男性 2300名以上
・追跡期間:平均20年
・結果:サウナの頻度が高いほど、心血管疾患と総死亡率が低下(週2〜3回の入浴で心血管死が23%減、週4回以上で63%減)また脳卒中・認知症・突然死などにも予防効果も示唆されました。

血管や心臓への効果

サウナに入ると体温は約1〜2℃上昇、心拍数は100〜120/分、血流は安静時の2倍になります。
これは軽い有酸素運動(ウォーキング)と同程度の負荷です。この作用により

・血管内皮機能の改善
 熱刺激により、一酸化窒素(NO)が増加して血管が柔らかくなり、動脈硬化の進行を抑制。

・交感神経と副交感神経のゆらぎで自律神経が整う
 熱→冷→休憩サイクルで、自律神経が調整されて、ストレスホルモン(コルチゾール)が低下。

・炎症マーカーの低下
 CRP(炎症反応)が下がり、慢性炎症の鎮静化。

・インスリン感受性の改善
 血糖コントロールが良くなり、糖尿病リスクが低下。

メンタル・脳への効果

サウナ後は、脳内で快感ホルモンであるエンドルフィン(上昇)、幸福ホルモンであるセロトニン(増加)、ストレスホルモンであるコルチゾール等(抑制)など神経伝達物質の変化が起きていることが知られています。

近年では、軽度うつ病や自律神経失調に対しても補助療法としての有効性が報告されています(Frontiers in Physiology, 2021)。

サウナは運動と同じ?

サウナは物理的に動いていなくても軽い有酸素運動(ウォーキング)と同等の負荷がかかるため、パッシブエクササイズ(受動的運動)として再注目されています。このため運動ができない、あるいは制限がかかっている人(高齢者・リハビリ患者)にとっては大きな利点となります。

サウナは「ととのう」だけでなく、体の恒常性(homeostasis)を整える生理的リセットボタンとも言えます。